2023年上半期脅威インテリジェンス: 暗闇に身を潜めているサイバー犯罪者を追跡
最新のSonicWallのレポートによりサイバー犯罪者の発見されにくい動きが明らかに:サイバー攻撃の増加、進歩、多様化とともにクリプトジャックが急増。
過去5年間で、サイバー犯罪者グループはますます企業化しています。2020年代初頭は自らを売り込む段階でした。犯罪者グループは、自分たちが深刻な存在として受け止められること、そして被害者との「正当な」取引に対する「評判」を確立することの両方によって有名になろうとしていました。それほど有名ではないグループも、大規模なグループのブランド力を借りることで名を知られるようになり、自分たちの周囲のブランド認知度から利益を得ることを期待していました。
しかし、現金が降り注ぎ続ける中で、サイバー犯罪者グループは1つのことを見落としていたように思われます。犯罪者グループは、自分たちが模倣していた企業のような法人ではありませんでした。実際に、政治家や警察が取り締まりを強化し、犯罪者グループが自分たちに法律という力が向けられていることを知ったときには、多くの人々は、犯罪者グループには合法的なものは何一つないことに気付きました。
サイバー犯罪者が逮捕されるたびに、同じ言葉が繰り返されます。「私たちは取り締まりの努力を称賛しますが、逮捕が永続的な変化をもたらすとは思っていません。」しかし、このほどリリースされた2023年版SonicWallサイバー脅威レポートの中間アップデートで報告されているように、2023年上半期のデータを見ると、この既成概念に疑問が提起されます。犯罪者はスポットライトを避けて、クリプトジャック、IoTマルウェア、暗号化された脅威のようなリスクの低い活動に集中し始めています。
マルウェアは引き続き移行中
マルウェアは基本的に前年から横ばいであり、2022年の上半期と比較してわずか2%の減少です。しかし、これは表面下で大きな変化が起きていないという意味ではありません。北米は(世界全体における27億件のうち)13億件の被害を記録し、依然としてマルウェアの大部分を占めていますが、減少した唯一の地域でもありました。対照的に、ヨーロッパと中南米は2桁の増加となっています。これは、サイバー犯罪者が新しい環境に攻撃対象を移していることを示めしています。
当社の調査でマルウェアの減少が確認されている業界はありませんが、特に教育や金融の業界の顧客はマルウェアの増大に直面しています。
ランサムウェアは減少、ただし反転の可能性あり
サイバー犯罪者が捕まらないことにより大きな関心を示している場合、犯罪者が自分自身について公表し、自己紹介するようなサイバー犯罪の形態であるランサムウェアの減少は予想されます。それでも、2022年の最初の6か月で攻撃件数が41%減少したため、多くの人々は、サイバー犯罪者がランサムウェアを断念しているのかどうか疑問に思うかもしれません。
当社がそのように考えていない理由はいくつかあります。そのうちの1つは、当社が2023年に目にしているランサムウェアのトレンドラインです。前年からのトレンドラインは依然として減少傾向ですが、月ベースでは、ランサムウェアは増加し、第2四半期は第1四半期より74%高くなっています。
クリプトジャックは引き続き記録的な増加
しかし、ランサムウェアが減少しているとすれば、その代わりに何が増加しているのでしょうか?いくつかの攻撃タイプの増加が確認されていますが、おそらく最も顕著なものはクリプトジャックです。 2023年上半期のクリプトジャック攻撃の件数は3億3,200万件に達しており、年初から399%という驚異的な増加となっています。この数値は新記録であるだけでなく、2023年には他のすべての年の記録を合計した件数を上回る勢いでもあります。
IoTマルウェアは3割を超える増加
SonicWall Capture Labsの脅威研究者は、2023年上半期もIoTマルウェアの件数は増加傾向が続いており、37%増加して7,790万件に達したと指摘しています。このペースで進むと、IoTマルウェア攻撃の件数は過去最高だった前年の合計を容易に上回ります。
他のタイプの脅威で見られているように、北米では攻撃が減少しています。ただし、わずか3%であり、この減少はアジアと中南米における3桁の増加によってそれ以上に補完されています。特にインドでは、これらの攻撃の件数が大きく増加しています。IoTマルウェアは311%の爆増となりました。
悪意のあるPDFやMicrosoft Officeファイルは2桁の減少
2023年上半期の悪意のあるPDFが関連する攻撃の件数は10%減少しましたが、悪意のあるMicrosoft Officeファイルの使用はさらに大幅に減少しました。これらの攻撃は、2022年の同じ期間と比較して驚異的な75%の減少となりました。この減少は、Microsoftの近年のセキュリティ強化の取り組みが一因となっている可能性もありますが、継続的な減少となるかどうか、サイバー犯罪者がこれらの新しい制限の周辺を攻撃するかどうかは、時がたてばわかるでしょう。
SonicWallの社長兼CEOであるボブ・ヴァン・カークは次のように述べています。「企業、政府、世界中の人々への際限のないデジタルによる侵害行為は激化しており、脅威の情勢としては拡大が続いているように見えます。サイバー犯罪者は冷酷です。当社のデータが示しているように、犯罪者はこれまで以上に機会をうかがっており、前例のない勢いで学校、連邦政府や小売組織を標的にしています。2023版SonicWallサイバー脅威レポート中間アップデートは、犯罪者の考え方と行動を理解するための助けとなり、組織自体の保護と、悪意のある活動に対するより強固な防衛策の構築に役立ちます。」
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